ハイオクガソリンとレギュラーガソリンの違いを正しく理解しているでしょうか?ここでは、ハイオクとレギュラーの違いや注意点についてお伝えします。車に乗る人には必ず知っておいてほしい情報です。
目次
- ハイオクとレギュラーの違い
- ガソリンの選び方
- ハイオクとレギュラーを混ぜるとどうなる?
- ハイオク仕様車にレギュラーを使用するとどうなる?
1.ハイオクとレギュラーの違い
石油燃料の一種であるガソリンには、レギュラーとハイオクがあります。オクタン価と呼ばれる数値によってグレードが分かれているのです。
1-1.ハイオクとレギュラーの違いはオクタン価
オクタン価の違いによって、ハイオクとレギュラーは区別されています。JIS規格では、ハイオクは96以上、レギュラーだと89以上のオクタン価であることが定められているのです。さらに、ハイオクにはエンジンをきれいに保つために必要な清浄剤が含まれています。レギュラーには、この清浄剤は添加されていません。
ハイオクの「ハイ」とは、オクタン価が高い(ハイ)という意味です。オクタン価が高いほど引火点が高いので、燃えにくいという特徴があります。燃えにくいほうが燃焼時のエネルギーが大きくなるのです。
また、ハイオクに含まれている清浄剤はエンジンの燃焼室をきれいにする作用があります。使い続けているうちに、蓄積されるカーボンも除去してくれるでしょう。そのため、燃費が向上するだけでなく、エンジンの寿命を延ばす効果が期待できます。
1-2.オクタン価とは
オクタン価とは、ガソリンのアンチノック性を示す指標です。ノッキング(エンジンの不自然な振動や異常音)を起こしにくいことをアンチノックといいます。つまり、オクタン価が高ければ高いほどノッキングが起こりにくいということ。エンジンの故障が起こりにくいのもオクタン価の高さによります。
このオクタン価の数値によってハイオクとレギュラーが区別されているのは、先ほどお伝えしたとおりです。
1-3.ガソリンと軽油の違い
ガソリンスタンドで売られているのは、ハイオクガソリンとレギュラーガソリンのほか、軽油があります。大きく分けると、ガソリンエンジンと、ディーゼルエンジンの燃料として使われる軽油です。
ガソリンは火を近づけるとあっという間に炎をあげて燃え始めます。一方、軽油はガソリンほど燃えません。軽油は火ではなく熱を加えたときに火がつきやすいという性質があります。そして、ディーゼルエンジンは重機などの力強さが求められる車に使われるものです。
2.ガソリンの選び方
2-1.最適なガソリンとは
車によって、ハイオクとレギュラーのどちらが適しているのかが決まっています。質がよさそうだからハイオクをとりあえず使おう、というのは正しくありません。その車を製造したメーカーがあらかじめ決めていることなのです。
違う種類のガソリンを入れても走行には問題ありません。しかし、燃料が本来もっている能力を発揮することができないのです。つまり、違うガソリンを入れても意味がないということ。車に最適なガソリンを入れるようにしましょう。
2-2.給油口を確認する
自分の車がハイオクとレギュラーのどちらが適しているのか分からないという人もいると思います。そのような場合には、簡単に確認する方法があるのでお伝えしておきましょう。
ガソリンを給油するときに給油口のふたを開けると思います。そのふたの裏側に指定されているガソリンの種別が記載されているはずです。そこに書かれているガソリンを使っていれば問題ないでしょう。
もしくは、車を購入した際にもらった説明書で確認することもできます。まだ一度も確認したことがなければ、すぐにチェックしてみましょう。
3.ハイオクとレギュラーを混ぜるとどうなる?
3-1.ハイオクとレギュラーは混ざりにくい
ハイオクには、エンジンの内部をきれいに保つための清浄剤が含まれています。つまり、レギュラーとはガソリンの分子構造が異なるというわけです。ですから、ハイオクとレギュラーは簡単には混ぜることができません。
3-2.ハイオクとレギュラーを混ぜた場合
ハイオクとレギュラーを混ぜたとしても、車は走ることができます。違う種類のガソリンが入れられたときに、車のコンピューター制御によって調整される機能がついているからです。
そのため、故障してしまうこともありません。ただし、ディーゼル燃料である軽油を入れると車が走らなくなります。走らないどころか、故障したり廃車になったりする恐れもあるので絶対にやめてください。
4.ハイオク仕様車にレギュラーを使用するとどうなる?
4-1.ハイオク仕様車にレギュラーガソリンを入れると
ハイオク仕様車は、ハイオクガソリンを入れて初めて本来の性能が発揮できるようにつくられています。ほとんどのハイオク仕様車は、レギュラーガソリンを入れたとしても不具合が起こらないように設計されているはずです。しかし、せっかくのエンジンの性能を引き出すことはできないということは覚えておきましょう。やはり、ハイオク仕様車にはハイオクガソリンを使用するのが一番なのです。
ハイオク仕様車にレギュラーを入れても走行はできます。しかし、ノッキングを起こすことがあるので注意してください。燃費も低下します。本来なら不要な働きをしなくてはいけないので、エンジンに負担がかかってしまうのです。
また、一度レギュラーを入れてしまうと、次にハイオクを給油したとしてもすぐには元の状態に戻りません。レギュラーに合わせて動いていたコンピューターがハイオクに合わせるには少し時間を要するのです。
4-2.レギュラー仕様車にハイオクガソリンを使用すると
反対に、レギュラー仕様車にハイオクガソリンを入れても走行には問題ありません。さらに、ハイオクを使用するとどんな運転をしてもノッキングを抑えられる効果が期待できるでしょう。また、ハイオクにはエンジンの清浄剤が含まれているため、エンジン内をきれいにすることもできます。
このように、レギュラー仕様車にはレギュラーガソリンを入れるよりもハイオクガソリンを入れたほうがすぐれた効果を望めるとされているのです。ただし、レギュラー仕様車もレギュラーガソリンを使うという条件のもとで設計されています。その設計にしたがって、レギュラーを使用するとよいでしょう。
4-3.ディーゼル車にガソリンを入れてしまったら
ディーゼル車にガソリンを入れることは絶対にやめてください。力が不足するだけでなく、エンジンやアイドリング、排気ガスなどに異常があらわれます。そして、エンジンが動かなくなるでしょう。
もし間違ってガソリンを入れてしまったら、早めに気づいて入れ替えをすればそれほど問題ありません。しかし、そのまま乗り続けていると故障します。
まとめ
ハイオクガソリンとレギュラーガソリンについて、最後にまとめておきましょう。
- オクタン価の違いによって、ハイオクとレギュラーは区別されている
- オクタン価とは、ガソリンのアンチノック性を示す指標
- ガソリンスタンドで売られているのは、ハイオクガソリンとレギュラーガソリンのほか、軽油がある
- 車によって、ハイオクとレギュラーのどちらが適しているのかが決まっている
- 給油口を確認する
まず、自分の乗っている車がハイオク仕様かレギュラー使用かを確かめる必要があります。そして、その仕様に適したガソリンを入れるようにしましょう。