可燃性ガスの種類や保管方法の注意点とは? 扱うのに資格はいるの?

ガスというと爆発する危険物というイメージを持っている方は多いでしょう。
しかし、ガスのすべてが燃えるわけではありません。
一定の条件下で燃えるガスのことを「可燃性ガス」といいます。
そこで、今回は可燃性ガスの特徴やその種類についてご説明しましょう。
私たちの身の回りにも、可燃性ガスを使った製品がたくさんあります。
取り扱いを間違えると爆発事故を起こす恐れもあるでしょう。
また、可燃性ガスを取り扱う資格についてもご紹介します。
興味がある方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

目次

  1. 単なるガスと可燃性ガスの違いとは?
  2. 可燃性ガスの種類とは?
  3. 可燃性ガスを取り扱う資格について
  4. 可燃性ガスを扱う際の注意点とは?
  5. おわりに

1.単なるガスと可燃性ガスの違いとは?

ガスとは、英語で「気体」という意味です。
日本ではガスというとプロパンガスや都市ガスをイメージする方も多いでしょう。
また、ガス爆発という言葉から連想されるように、ガスは危険なものと思っている方も少なくありません。
しかし、ガスのすべてが燃えたり爆発したりするわけではないのです。
たとえば、風船に入れたり声が変わるジョークグッズとして利用されていたりする「ヘリウムガス」は、火を近づけても燃えない不活性ガスに分類されます。
爆発の危険がないので、風船などに利用されているのですね。
また、食品のパッケージ内に空気が入っているように見えるものもあります。
これは、空気ではなく窒素ガス。
酸素がなければ特定の腐敗菌が繁殖できない性質を利用して、殺菌のために注入しているのです。
窒素ガスも不活性ガスですので燃えたり爆発したりする心配はありません。
一方、可燃性ガスとは空気や酸素に混じると燃える性質を持ったガスのことです。
私たちが調理に利用する都市ガスやプロパンガスは、ガスコンロを使って放出させて空気と混ぜ合わせ、火をつけます。
また、ガスライターも同じ原理。
可燃性ガスはこのほかにも、衝撃や光が加わると爆発する「自己分解性」と空気に触れると自然に発火する「発火性」があるものもあるのです。
また、広い空間に高い密度で可燃性ガスが充満すると爆発をする危険があります。
ですから、可燃性ガスの取り扱いは充分に注意しなければなりません。

2.可燃性ガスの種類とは?

可燃性ガスは、メタンや水素、一酸化炭素などがあります。
これらは法令によって「可燃性ガス」に定められて、取り扱いに注意が求められているのです。
もちろん、私たちが調理に使うガスも「プロパン」として可燃性ガスに指定されています。
また、スプレー缶などに使用されている高圧ガスの中には、可燃性ガスが使われているものもあるのです。
ですから、スプレー缶を噴射させてそこに火を近づけると火炎放射器のように炎がたちのぼるものもあります。
また、スプレー缶をそのまま炎の中に入れて爆発する事故は、いまだに起こり続けているのです。
さらに、可燃性ガスは爆発範囲があり、最も大きいのは水素最も小さいのはエタノールになります。

3.可燃性ガスを取り扱う資格について

この項では、可燃性ガスを取り扱う資格についてご説明します。
可燃性ガスは消防法で定められている危険物に該当するのでしょうか?

3-1.危険物に指定されている可燃性ガスとは?

危険物の第3類には、空気や水に接触すると可燃性ガスを放出する物質を出すものが指定されています。
しかし、可燃性ガスそのものは危険物に指定されていないのです。
ですから、水素ガスや燃料として利用されているプロパンガス、都市ガスは危険物ではありません。
危険物取扱者の資格保持者は、化学反応を起こして可燃性ガスを発生させる物質は管理したり取り扱ったりできますが、高圧ガスや大量の可燃性ガスを取り扱うことはできないのです。

3-2.高圧ガスに関する法律とは?

高圧ガスは、「高圧ガス保安法」という法律で販売方法や貯蔵方法、さらに運搬方法や製造方法などが定められています。
可燃性ガスの多くが、この高圧ガス保安法によって管理されているのです。
消防法のガスバージョンと考えれば理解しやすいでしょう。
また、扱うガスの種類と量によっては、「特定高圧ガス取扱主任者」の資格が必要です。
これは、液化石油ガス、圧縮天然ガス、圧縮水素などが指定されています。
ですから、今あげたものを大量に扱う場合は、特定高圧ガス取扱主任者の在職が必須です。
危険物取扱者の資格を取得していても扱えませんので、注意しましょう。
ちなみに、ガスを貯蔵するときはガスの種類ごとにボンベを色分けし、風通しのよい場所で保管するように法律で定められています。

3-3.ガスは単体では爆発しない?

さて、可燃性ガスは発生するだけで大爆発をするイメージを持っている方も多いでしょう。
しかし、可燃性ガスはそれだけでは爆発しません。
必ず、酸素や空気が必要なのです。
天然ガスでガス爆発が起こるのは、噴出したガスが空気と混じり合っているから。
また、ガスが充満していても、空気を入れ換えてガスの密度を下げれば爆発しません。
ガス漏れをしたときに、「すぐ窓を開けなさい」と指示されているのはそのためです。
ただし、可燃性のガスは燃えると有毒ガスを発生するものもあります。
ですから、ガス漏れや火気には充分注意して扱いましょう。

4.可燃性ガスを扱う際の注意点とは?

では最後に、可燃性ガスを扱う際の注意点をご説明します。
ご存じのことも多いと思いますが、再確認してください。

4-1.熱を加え続けない

高圧ガスや可燃性ガスは、熱を加え続けると爆発するものもあります。
毎年のようにカセットコンロによる爆発事故が起こっていますが、これはカセットコンロの燃料であるガスボンベを、何らかの手段で熱し続けたことが原因です。
カセットコンロは正しく使いましょう。ボンベが入っている部分をふさいではいけません。
また、高圧ガスが入っているスプレー容器を火のそばに置かないようにしましょう。
ストーブの前に置くのはもちろんのこと、ドライヤーの熱風が当たる場所に置いてはいけません。

4-2.ガスを抜く際は充分に注意する

スプレー缶を処分する際に、穴を開けて出すように支持されている自治体もあるでしょう。
しかし、この穴あけ作業も閉めきった室内で大量のスプレー缶を行うと危険です。
特に、カセットコンロに使うガスボンベに穴を開ける際は、必ず室外で行ってください。
くわえタバコをしながら穴あけ作業をするのもダメです。
さらに、古いスプレー缶が腐食して、ガスが漏れ出す事故も珍しくありません。
古い未使用のスプレー缶が発見されたら、中身をゴミ袋などに開けて早くゴミに出してください。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回は可燃性ガスの性質や種類についていろいろとご説明しました。
まとめると

  • 可燃性ガスとは酸素や空気と混じり合うと発火や爆発の危険があるガスのこと。
  • ガスすべてが可燃性というわけではない。
  • 危険物取扱者は、可燃性ガスを発生させる物質は管理したり取り扱ったりできるが可燃性ガスそのものを取り扱うことはできない。
  • 多量の可燃性ガスを取り扱ったり販売したりする場合は特定高圧ガス取扱主任者という資格が必要。

ということです。
天然ガスを保管してある場所は、全国に数多くあります。
しかし、いずれもしっかりと保管されていますので爆発する心配はほとんどありません。
むしろ、ガス爆発事故は家庭で起こることが多いのです。
天然ガスはオール電化住宅以外、どの家にもひかれています。
ですから、つい取り扱いもおろそかになりがちなのです。
ガスの事故を防ぐためには、コンロの点検もまめに行ってください。
壊れかけのコンロでは不完全燃焼などを起こす可能性もあります。

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