【必見】危険物を運搬する際の基準を解説! 移送と運搬の違いは?

危険物取扱者の業務内容

危険物は、正しく扱わないと火災や爆発を起こす可能性が高い物質です。そのため、運搬も消防法によって基準が定められています。

危険物取扱責任者の資格試験には、運搬及び移送の基準が出ることも珍しくありません。資格取得を目指す人の中には「危険物の運搬基準をできるだけ分かりやすく知りたい」と思っている人もいるでしょう。

今回は、危険物の運搬基準を紹介します。

  1. 危険物を運搬する際の基準について
  2. 危険物運搬の基準について
  3. 危険物取扱者の資格取得方法
  4. 危険物取扱者に関するよくある質問

この記事を読めば、危険物取扱者の資格取得方法や勉強のコツも分かります。資格取得を目指す人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.危険物を運搬する際の基準について

はじめに、危険物を運搬する際に消防法で定められた基準を紹介します。

1-1.危険物の運搬とは容器ごと運ぶこと

危険物の運搬とは、危険物を容器に入れてトラックなどで輸送することです。これに対し、タンクローリーなど専用の車両で危険物を運ぶことを「移送」として区別しています。なお、運搬は移送よりも危険性が高いので、指定数量以下でも消防法の規制を受けるので覚えておきましょう。ちなみに、移送の場合は危険物取扱者の同乗が必要ですが、指定数量以下で運搬する場合は危険物取扱者の有資格者が同乗しなくてもかまいません。なお、運搬に関する基準は消防法16条に定められているので、確認しましょう。

1-2.消防法では運搬の容器や積載方法が定められている

消防法では、運搬する際に使用できる容器の基準・積載方法の基準・運搬方法の基準が定められています。危険物を運搬する場合、基準を必ず守りましょう。

2.危険物運搬の基準について

この項では、危険物運搬の基準をより詳しく説明します。

2-1.運搬容器の基準

運搬容器の基準には、以下のようなことが定められています。

  • 容器の材料は危険物と反応しないものを用いる(銅板・アルミニウム版・ガラス等)
  • 堅固で破損する恐れがなく、収納された危険物が漏れないものを用いる
  • 容器の外部には、危険物の品名・等級・化学名・水溶性か否か・数量など、必要事項を記入する

2-2.積載方法の基準

積載方法の基準には、以下のようなものがあります。

  • 危険物は必ず運搬容器に入れて運搬する
  • 運搬容器は必ず収納口を上に向けて積載する
  • 容器の積み重ねは、高さ3m以下になるようにする
  • 固体の危険物は、内容積95%以下の収納率までにする
  • 液体の危険物は、内容率98%以下の収納率までにして、温度が55℃になっても液体が漏れないように十分な空間容積を取る
  • 自然発火性物品や特殊引火物などは、直射日光を避けるために遮光性の被覆で覆う
  • 禁水性物品等は防水性の被覆で多い、雨水の浸入を防ぐ
  • 第5類の危険物の中で55℃以下の温度で分解が始まる危険物は、保冷コンテナ等で温度管理をする
  • 混載禁止の危険物を混載しない

2-3.運搬方法の基準

運搬方法には、以下のような基準があります。

  • 容器に激しい摩擦(まさつ)や動揺が起きないように注意して運転する
  • 指定数量以上の危険物を運搬する際は消火設備を設置する
  • 指定数量以上の危険物を運搬する際は、0.3m四方の地が黒色の板に黄色の文字で「危」の標識を車両の前後の見やすいところに貼る
  • 運搬中に災害が発生する恐れが生じた場合は、応急措置をするとともに、すぐに最寄りの消防署に連絡する

3.危険物取扱者の資格取得方法

この項では、危険物取扱者資格の定義や資格取得方法を紹介します。

3-1.指定数量以上の危険物を運搬する場合、積み下ろしは有資格者が監督する

危険物取扱者は、指定数量以上の危険物の取扱や保安監督業務を行える資格です。指定数量以上の危険物を運搬する場合、危険物の積み下ろしは有資格者の立ち合いが必要になります。また、自治体によっては運搬も有資格者が行うのが望ましいとしているところもあるでしょう。

3-2.危険物取扱者の有資格者はいろいろなところで需要がある

危険物取扱者の有資格者が働く場所というと、ガソリンスタンドがまずイメージされるでしょう。これ以外にも、危険物を製造する会社や、危険物を原料として製品を製造する工場、さらに燃料として危険物を指定数量以上に貯蔵している場所などにも、需要があります。取得すれば就職や転職活動に役立つほか、資格手当がつくので給与アップものぞめるでしょう。

3-3.危険物取扱者の資格取得方法

危険物取扱者の資格は、消防試験研究センターが主催する試験に合格すれば取得できます。なお、講習を受講して資格することはできないので注意しましょう。乙種と丙種に受験資格は定められていません。一方、甲種は乙種を複数取得することなど受験資格が必要です。詳しくはセンターのサイトを確認してください。試験内容や勉強方法のコツなどは、こちらの記事にも詳しいので、ぜひ併せて読んでみましょう。

4.危険物取扱者に関するよくある質問

この項では、危険物取扱者に関する質問を紹介しましょう。

Q.危険物の運搬は、1日に何時間行えますか?
A.移送と異なり、時間の制限はありません。ただし、あまり長時間の運搬は控えましょう。

Q.危険物の運搬は一般的な乗用車でも行えますか?
A.行えますが、基準は必ず守りましょう。

Q.危険物取扱者が危険物の積み下ろしに立ち会う場合、有資格者以外の人も積み下ろしに加わっても大丈夫ですか?
A.はい。有資格者が監督していれば問題ありません。

Q.危険物は混載が許可されているものならば、混載して大丈夫ですか?
A.はい。大丈夫ですが、できるだけ混載は控えましょう。

Q.危険物取扱者の資格を取得すれば未経験でも資格を活用して就職できますか?
A.はい。未経験でも問題ない職場もたくさんあります。若い年代ほど未経験でも就職しやすいでしょう。

まとめ

今回は、危険物を運搬する際の基準について解説しました。運搬は移送よりも少量の危険物を運ぶ際に用いられることが多いのですが、消防法の規制が適用されます。「少量だから」と基準を無視して運んではいけません。また、可能ならば危険物取扱者の有資格者が運搬したほうがより安全です。

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