【必見】危険物にとって静電気が危険な理由を解説! 対策方法も紹介!

危険物について

危険物に静電気は厳禁です。危険物を取り扱うときは、静電気対策を入念にするように指導された経験がある人もいるでしょう。「静電気が危険物にとってどれだけ危険か知りたい」という人もいると思います。

そこで今回は、静電気が危険物にとってどれだけ危険かということや、静電気対策方法などを紹介しましょう。

この記事を読めば、危険物取扱者の資格取得方法や勉強のコツなども分かります。危険物取扱者の資格取得を目指している人は、ぜひ読んでみてくださいね。

危険物と静電気の関係

はじめに、静電気が危険物にとってどれだけ危険なのかを紹介します。

静電気は摩擦などよって起こる

静電気とは、物質内に帯電している静止した電荷のことです。電荷は摩擦などによって帯電し、逃げ場がない限り溜(た)まり続けます。溜まり続けた電気が何らかの原因で流れると電流となり、刺激を感じたり発火したりするでしょう。静電気は、摩擦・接触・流動・破砕などによって帯電しやすく、帯電した電荷は常に電流となる可能性があるのです。

静電気は絶縁抵抗が大きいほど発生しやすい

静電気は、絶縁抵抗が大きいほど発生しやすくなります。たとえば、ゴムホースなどの絶縁体の中を石油製品が流れると、流動によって帯電が起こるのです。また、有機高分子材料や石油製品は電気絶縁性が大きいので、余計帯電しやすくなります。

静電気は発火する

静電気が電流となって流れるとき、火花が散ることがあります。この火花放電が危険物の側で起こると、引火して火災になることもあるでしょう。特に、引火点の低い第一・第二石油類は火花でも火災の原因になります。

静電気の予防は試験にも出題される

危険物を取り扱う際、静電気の予防が大切です。静電気を予防する方法は危険物取扱者の試験にも出題されるので、静電気が発生する原因や、対策方法を覚えておく必要があります。

危険物に帯電する静電気や対策方法

この項では、危険物に静電気が帯電する理由や対策方法を紹介します。

危険物の静電気は摩擦や流動で発生しやすい

前述したように、静電気はゴムのような絶縁体に帯電しやすい性質があります。たとえば、ゴムホース内を石油製品(灯油・ガソリン)などが流れたりすると、摩擦で静電気が帯電するのです。また、有機溶剤を塗ったものを金属などでこすったりすると、摩擦で静電気が発生することがあります。

帯電した人体で危険物に触るのは危険

静電気は人体も帯電するため、帯電した状態でやはり帯電している危険物に触ると、火花放電する可能性があります。特に、気温と湿度が低い季節は人体は帯電しやすく、発火の危険が高まるので注意が必要です。

帯電した静電気を逃すことが大切

帯電した静電気を逃すには、アースをつける必要があります。アースとは、帯電した電気を地面に逃すもので、アースがない場合は放電しやすい物体に帯電したものを接触させるだけでも効果的です。

静電気が発生しにくい環境を作る

静電気は、乾燥して湿度が低い状態だと発生しやすくなります。ですから、湿度や温度を上げましょう。また、プラスチック・ゴム等の絶縁体に金属やカーボンなどの帯電防止剤を入れるのも静電気を発生させないために効果的です。さらに、静電気が発生しやすい化繊の服を着て、危険物を扱わないようにしましょう。

給油速度は決められている

ガソリンなど引火性液体を流動させるとき、早く動かすほど静電気が発生しやすくなります。そのため、ガソリンなどの引火性液体の給油速度は決まっているので、勝手に動かしたりしないようにしましょう。

危険物取扱者の資格取得方法

この項では、危険物取扱者の資格取得方法や勉強のコツを紹介します。

危険物取扱者は甲種のみ受験資格が必要

危険物取扱者の資格は、消防試験研究センターが主催する試験に合格すれば取得可能です。危険物取扱者は、甲種・乙種・丙種の3種類あり、乙種のみ1~6類に別れています。有名な乙4は、乙種4類の略です。危険物取扱者は、甲種のみ大学で指定の単位を取得することなど受験資格が必要なので、センターのサイトで確認しましょう。甲種・乙種は受験資格が定められていないので、性別・年齢・学歴問わずに受験できます。

試験は1年に複数回ある

危険物取扱者の試験は、4月~9月の前期、10~3月の後期に実施され、前期・後期とも複数回試験日があります。詳しい日程は、消防試験研究センターのサイトで確認しましょう。なお、危険物取扱者で最も人気のある乙4は前期・後期とも5~20回は実施されるので、より受験しやすいでしょう。試験は全国どこで受けても、何度受けてもかまいません。受験費用は、非課税で甲種6,500円、乙種4,500円、丙種3,600円です。

試験は3科目の学科試験

危険物取扱者の試験は、以下のような3科目の学科試験となっています。

  • 危険物に関する法令
  • 物理および化学 (丙種のみ、燃焼および消火に関する基礎知識)
  • 危険物の性質やその火災予防および消火の方法

試験はマークシート方式で、簡単な計算問題も出題されますが、試験勉強は知識の暗記が中心です。

3科目すべて60%以上の得点で合格となります。文系でも十分合格は可能です。なお、乙種をすでに取得した人が別の資格区分を再取得する場合は、試験の一部が免除になるので、詳しくは消防試験研究センターのサイトで確認しましょう。

危険物の静電気に関するよくある質問

この項では、静電気に関する質問を紹介しましょう。

Q.固体の危険物ならば、それほど静電気は気にしないでいいですか?
A.いいえ。引火点の低いものは火花で発火することがあります。

Q.静電気は夏なら発生しないのでしょうか?
A.いいえ。気温が低く乾燥した場所、たとえば空調がよく効いた場所ならば発生する危険があります。

Q.アースがなく、体内の静電気を放出したい場合はどうしたらいいですか?
A.壁や地面などに手をつくか、手を洗うだけでも放出できます。

Q.灯油は勢いよく入れてもいいものですか?
A.ストーブに灯油を入れるくらいならば、それほど速度にこだわらなくても大丈夫でしょう。ただし、多量に灯油を給油する場合は速度を調整してください。

Q.危険物は少量ならばそれほど静電気に注意する必要はありませんか?
A.いいえ。少量でも十分に注意が必要です。

Q.危険物は静電気を帯びれば即座に火災の危険はありますか?
A.引火点が低いものほど、その可能性が高くなるでしょう。

まとめ

今回は、静電気が危険物にとってどのくらい危険かということを解説しました。特に、引火点が低い物質は火花放電で発火する可能性があります。取り扱いには十分な注意が必要です。

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