【解決】危険物施設の定期点検について! 自主点検との違いは?

危険物取扱所危険物取扱者の業務内容

指定数量を超える危険物を製造したり取り扱ったりしている場合、施設の定期点検が必要です。「危険物を製造や貯蔵、取り扱いをしている施設の定期点検方法を知りたい」と言う人も多いでしょう。また、危険物取扱者の試験では、定期点検に関する問題もよく出題されます。

そこで今回は、危険物施設の定期点検について解説しましょう。

この記事を読めば、危険物施設の定期点検に関する知識はバッチリです。危険物取扱者の試験に挑戦する予定の人も、ぜひ読んでみてくださいね。

危険物施設の定期点検について

はじめに、定期点検の必要性や決まりごとを紹介します。

危険物施設は危険物を製造したり貯蔵したりする施設

危険物施設とは、危険物を製造したり貯蔵したりする施設の総称です。指定数量を超える危険物の製造・貯蔵・取扱・保管は必ず施設で行わなければなりません。また、自治体によっては指定数量以下でも一定の量を超えたら、危険物施設の利用を定めているところもあるでしょう。危険物施設には、以下のようなものがあります。

  • 製造所
  • 貯蔵所:屋外・屋内・タンク・地下タンクなど
  • 取扱所:給油取扱所・販売取扱所・移送取扱所・一般取扱所

定期点検は安全を確認するために行う

危険物施設の定期点検とは、施設の位置や構造・設備の基準が、消防法第10条第4項に定められた技術上の基準に適合しているかどうか確認するためのものです。施設は、年月がたてば必ず劣化します。そのため、定期的に点検を行うことで、補修箇所をみつけたり安全を確認したりすることが大切です。

定期点検と自主点検の違い

定期点検は、消防法によって実施が義務づけられています。一方、自主点検は施設の持ち主や管理者が、自主的に行う点検のことです。法律による決まりはありませんが、実施すればより安全に施設を使えるだけでなく、不備も早く発見できるでしょう。

危険物の定期点検を行う必要がある施設

この項では、定期点検の実施が義務づけられている施設や、定期点検を行わなくてもよい施設を紹介します。

定期点検が義務づけられている危険物施設

定期点検が消防法によって義務づけられているのは、以下の施設です。

  • 指定数量の倍数が10倍以上の危険物を製造するか、地下タンクを有する製造所
  • 指定数量の倍数が150倍以上の危険物を貯蔵する屋内貯蔵所
  • 指定数量の倍数が200倍以上の場合の危険物を貯蔵する屋外タンク貯蔵所
  • 地下タンク貯蔵所
  • 移動タンク貯蔵所
  • 指定数量の倍数が100倍以上の危険物を貯蔵する屋外貯蔵所
  • 地下タンクを有する給油取扱所
  • 移送取扱所:条件が施設によって異なるので、最寄りの消防署に確認すること
  • 一指定数量の倍数が10倍以上(倍数30倍以下の容器詰替の一般取扱所を除く)
  • 地下タンクを有する般取扱所

なお、移動貯蔵タンクの水圧試験は、設置の完成検査済証の交付を受けた日、もしくは前回の水圧試験を行った日から5年を超えない日までの期間内に、1回以上行えばよいことになっています。

定期点検が義務づけられていない危険物施設

以下のような施設は、貯蔵できる危険物の量が限られているので、定期点検が義務づけられていません。

  • 屋内タンク貯蔵所
  • 簡易タンク貯蔵所
  • 販売取扱所

ただし、自主点検は行いましょう。

点検は年に1度以上、原則として有資格者が行う

危険物施設の定期点検は、原則として危険物取扱者の有資格者・危険物施設保安員が行うことになっています。ただし、危険物取扱者の立ち会いがあれば、無資格の人でも行うことが可能です。なお、定期点検後は、定期点検記録表に危険物施設の名称・点検の方法や結果・点検年月日・定期点検を行った人の氏名を必ず記録し、3年間保管しておきましょう。また、定期点検記録表は、点検後10日以内に、所轄の消防署に提出することも義務づけられています。

危険物施設の定期点検の手順

この項では、危険物施設の定期点検の手順や注意点を紹介します。

定期点検記録表はダウンロードできる

危険物施設の定期点検は、定期点検記録表に沿って行います。定期点検記録表はお住まいの自治体や所轄の消防署のサイトからダウンロード可能です。また、所轄の消防署にも常備してあるので、配布してもらってもいいでしょう。

点検に不備があると点検者の責任が問われることもある

危険物施設の定期点検は、法律で定められた大切なものです。点検に不備があった場合、点検をした人の責任が問われることがあります。ですから、地下タンクなどは専門業者に点検を依頼し、危険物取扱者が立ち会うようにしましょう。いい加減な検査をしてはいけません。

危険物施設が技術上の基準に適合しなかった場合の対処方法

危険物施設が技術上の基準に適合しなかった場合、自治体の長(市長や町長・村長)は、基準適合命令を出すことができます。これは、危険物施設の修理・改造・移転を行い、技術上の基準に適合するように求めることです。施設の持ち主が従わなかった場合、自治体の長は危険物施設の設置許可を取り消すか、業務停止命令を出すことができます。

危険物取扱者の資格取得方法

危険物取扱者とは、消防法によって定められている危険物の取り扱いや保安監督業務を行える資格です。指定数量以上の危険物を貯蔵・製造・取扱・移送する場合は、有資格者の選任が必要になります。また、前述したように、定期点検を行ったり、立ち会ったりすることも可能です。学生から社会人まで人気の資格であり、取得すれば仕事の幅が広がったり、手職の武器になったりするでしょう。

危険物施設の定期点検に関するよくある質問

この項では、危険物施設の定期点検に関する質問を紹介します。

Q.定期点検記録表は、3年を超えたら破棄しても大丈夫ですか?
A.消防法では3年間の保管となっていますが、自治体によってはもっと長く保管義務があるところもあるので、まずは最寄りの消防署で確認してください。

Q.自主点検はどのくらいの頻度でやったらいいでしょうか?
A.3か月に1度程度が目安です。

Q.定期点検を専門の業者に任すことはできますか?
A.はい。ただし、危険物取扱者の立ち会いは必要です。

Q.定期点検をうっかり忘れて1年以上経過したらどうしたらいいでしょうか?
A.至急行い、最寄りの消防署で説明をしてえ、指示を仰いでください。

Q.定期点検記録表は提出する分と保管分、2部作成するのですか?
A.はい。2部作成してください、

まとめ

今回は、危険物施設の定期点検について解説しました。自主点検と紛らわしいですが、定期点検は消防法で1年に1回以上の実施と記録の保管、提出が義務づけられています。実施が義務づけられている施設と共に決まりも覚えておきましょう。

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